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知っているようで知らなかったアミノ酸!? Q&A
まず、人体の構成成分とアミノ酸との関係について、おしえてください。
私たちの体を構成している成分の約70%が水分であることは、多くの方がご存知かと思います。
それ以外の成分としては、細胞レベルでみると約60兆個の細胞で、さらに分子レベルでは約80%のタンパク質でできているといえます。
このタンパク質を構成している最少の成分が「アミノ酸」で、DNAはもとより、地球上のすべての生命の根源となるものです。
自然界には500種類以上が存在していて、そのなかで人の体をつくっているアミノ酸は、わずか20種類です。
グラフ
20種類のアミノ酸とは、どのようなものですか?
これらのアミノ酸は、9種類の必須アミノ酸」と11種類の「非必須アミノ酸」に分けることができます。
必須アミノ酸は体内で合成できず、食品から摂取する以外方法がないため、毎日のバランスのとれた食事が大事です。
グラフ 一方、非必須アミノ酸は体内で合成することができますが、
偏った食生活や不規則な生活習慣、ストレス、加齢などで何かと不足しがちです。
それぞれのアミノ酸の働きで、特徴的なものは
ありますか?
たとえば、必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンは、BCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれ、筋肉中のタンパク質を合成することでスポーツ用としてよく目にします。
ところが医療機関では、BCAAを肝機能障害の改善薬として使います。
非必須アミノ酸のアルギニンは、血管拡張作用や成長ホルモンの分泌を促進しますが、免疫製剤の医薬中間体としても使います。
アルギニンとともに最も薬理効果の高いグルタミンは、体内に豊富にあるアミノ酸で、免疫細胞や創傷部位の細胞分裂のエネルギー源として重要です。
医療では、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの抗潰瘍剤としても使われます。
また、野菜のアスパラガスに多く含まれ、エネルギー源として利用されやすいアスパラギン酸もカルシウムと化合して、アスパラギン酸Caになると骨粗しょう症などの骨障害の改善薬です。
そのほか意外なところでは、必須アミノ酸のメチオニンを基に体内で作られるシステインは美白のアミノ酸で知られますが、医薬では放射能性障害による白血球減少症の治療に使われ、メチオニンそのものも薬物中毒の解毒剤として使われます。
このようにアミノ酸は、食品成分とは思えないほど幅広い特徴を持っています。
食事で摂取しきれないアミノ酸を効果的な摂るにはどうすればよいでしょう?
食品からしか摂ることのできない必須アミノ酸はもちろん、不規則な生活で食事だけではなかなか摂取しきれない非必須アミノ酸も、補助食品としてサプリメントから摂取することが推薦されます。
それでは、良いアミノ酸サプリメントの選び方は?
アミノ酸サプリメントは、特定のアミノ酸だけを使って疾患を改善するアミノ酸製剤とは違い、健康維持・増進、機能改善が目的です。
大事な点は、アミノ酸やビタミンなどの成分バランスが、どの程度整っているかが一番重要になります。
それには、医療機関で利用されているもの、ドクターや医療関係者が推薦するものなど、信頼のおける製品を選び、適切に利用することが大切です。実際に私も、アミノ酸サプリメントを医療用補助剤として、患者さんに推薦しています。
医療費の削減と健康寿命延伸の観点から、セルフメデュケーションが国策として推進されるそうです。そうしたなか、今後アミノ酸に期待されることはありますか?
年々高齢化が進む日本において、2030年には65歳以上の高齢者人口が全人口の31・8%になるといわれ、超高齢化社会を迎えようとしています。
自分の健康は自分で守る、セルフメディケーションという考えから、いかに寝たきりにならずに健康寿命を延ばすかが問題です。
アミノ酸の効果として、生活習慣病対策、加齢による筋肉減少症、骨、関節疾患からくるロコモティブシンドロームといわれる運動機能の低下や、慢性疾患には軽い運動とアミノ酸の摂取で大いに効果を期待できます。
最後に一言お願いします
アミノ酸は人の健康のベースとなって疾病予防や体力の維持・増進、さらには美容にも大きく関わっています。
私たちの体のなかでアミノ酸を必要としない部位は無いといっても過言ではありません。
アミノ酸は、「病気をするのも治すのもアミノ酸」といわれるぐらい、私たちのカラダにとって重要な成分です。
いつまでも若々しく元気で過ごされたい方などに、アミノ酸は力強いパートナーになってくれるはずです。

もっと知ろう、アミノ酸!!

アミノ酸はどうやって作るの?
アミノ酸の製法は古くはタンパク質に塩酸などを加え、アミノ酸に分解後、特定のアミノ酸だけを抽出する「加水分解法」や、石油由来成分により化学合成する「合成法」が用いられてきました。
しかし、コスト面・安全性の問題から、現在のアミノ酸の大半は「微生物発酵法」で製造されています。
製法は、体外に特定のアミノ酸だけを大量に分泌する微生物にトウモロコシ(澱粉)やサトウキピ(糖蜜)を加え、分泌されたアミノ酸だけを抽出精製する天然由来の成分です。
製法こそ違いますが、大豆などから作る味噌や醤油などと同様に発酵製品のひとつです。
このような製法で抽出された一つ一つのアミノ酸を『結晶アミノ酸』といいます。
タンパク質(プロテイン)・ペプチド・アミノ酸は何が違うの?
「タンパク質(プロテイン)→ペプチド→アミノ酸」は食物を食べたときの消化分解のプロセスです。
「タンパク質」はアミノ酸が数十個~数万個集まった状態をいいます。
食物に含まれるタンパク質は口から入り、胃の中で胃液に分解され、十二指腸で消化酵素によりアミノ酸が数個~数千個集まった「ペプチド」という状態になります。
その後、ペプチドは小腸に入り、タンパク質の最小単位の「アミノ酸」に分解されて吸収されます。
アミノ酸の状態ではこれ以上、消化分解を繰り返すことがありませんから、消化器官の負担が軽くなり吸収効率は高くなります。
『結晶アミノ酸』を直接摂るということは、タンパク質の消化プロセスが必要ありませんから、吸収が早く無駄がないため即効性があり、胃腸への負担が軽減されます。
食品から摂るタンパク質(プロテイン)には20種類のアミノ酸が含まれていますが、
『結晶アミノ酸』とどうちがうのですか?
食品からタンパク質を摂取すると、3~4時間かけて腸管で分解された後、アミノ酸として肝臓や血液中に蓄えられ、体内で必要としている場所ヘタンパク質として再合成されます。
確かに、食品には20種類のアミノ酸が含有されていますが、人の身体は摂取したタンパク質に含まれる、一番少ないアミノ酸に合わせてタンパク質に再合成するため、アミノ酸の偏りが出きてしまいます。
それでは、たくさんの肉や魚を摂れぱ良いのかということになりますが、今度は大量の脂質など余分なものまで同時に摂取することになります。
それにくらべ、『結晶アミノ酸』は消化・分解の作業が必要ないので服用後20~30分程度で小腸から吸収されます。
アミノ酸サプリメントは、食品だけでは摂取しにくい『結晶アミノ酸』を配合することで、カラダが必要としている部分へ速やかに運ばれ修復に利用されます。
アミノ酸サプリメントにもいろいろな種類がありますが、何が違うのですか?
人のカラダを構成している20種類のアミノ酸はタンパク質という形でそれぞれの部位に存在しています。
基本的にアミノ酸サプリメントは目的に合わせて配合を変えています。
たとえば、毛髪や爪を構成しているケラチンというタンパク質にはシスチンというアミノ酸が多く含まれ、肌を構成しているコラーゲンというタンパク質にはプロリン・グリシン・アラニンというアミノ酸が多く含まれます。
また、筋肉にはBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)というアミノ酸が多く含まれます。
同じアミノ酸サプリメントでも、配合内容や組み合わせが違いますから、スポーツ用や美容用など目的に合わせてお使いいただくのが効果的です。